画家が、10年かけて書いた小説『この星の絵の具』。
「アーティストのなかのアーティスト(Artist’s artist)」と称される画家・小林正人。
その画業の原点から現在地までを、画家自身の言葉で辿るビルドゥングスロマン3部作。
『この星の絵の具』の上巻を読んだ学芸員shnchr OSAKI氏は、以下のようにX(旧Twitter)に投稿した。「『この星の絵の具』を通読して今も深い感銘の余韻に浸っている。絵画を描くことの初発、根源的な衝動にこれほどみごとに言葉を与えたテクストを私は知らない。」(2019年1月24日)と。また画家の内海聖史氏は同じくX(旧Twitter)にて「面白くて苦しくて絵が描きたくなった。画家の言葉でこんなに物語を定着させられる異常性に驚き。」(2019年1月17日)と書いた。本書は画家による小説であると同時に、「現代における絵画とは何か」、「芸術とともに生きるとはどういうことか」を問う、稀有な批評的テクストである。
約500ページに刻まれた、一人の画家の40年。
青春、挑戦、そして美学へ——
一人の画家の旅路。
藝大卒業後、東京・国立のアトリエでひたすら「空」を描いた日々。《絵画=空》《天窓》《絵画の子》——傑作群はここから生まれた。
伝説のキュレーター、ヤン・フートに招かれてベルギーへ。国際的アートシーンのど真ん中で、世界と格闘した日々。
そして鞆の浦へ
ゲントを拠点にスウェーデンへ。チュニジアへの旅、そして帰国後の鞆の浦。願いがカタチになる「この星」の謎と神秘へ。
[上]一橋大学の木の下で
「これが小林くんの最初の画ね」——音楽の「せんせい」に言われた言葉から、画家の物語は始まる。1980〜90年代の国立で生まれた宝石のような初期作品群と、ヤン・フートとの出会いまでを描く青春編。
2018年12月刊・¥1,650
ダーフハース通り52
「マサァト、きみをゲントに呼んだのは……」——ヤン・フートに招かれ、ベルギー・ゲントのスタジオへ。国際的なアートシーンに飛び込み、オリジナルな絵画スタイルを獲得していく渡欧編。
2020年10月刊・¥1,980
[下]新世界
画家として、ひとりの人間として——ゲントを拠点にスウェーデンへの滞在制作、チュニジアへの旅、そして帰国後の鞆の浦。願いがカタチになる「この星」の謎と神秘を語る、美学と哲学が散りばめられた完結編。
2026年4月刊・¥1,870
受け取った人たちの声
10年のあいだに、
静かに広がっていった一冊。
「小林正人さんの自伝読んだ。絵画界の神様みたいな人だなと思った…」
「小林正人著『この星の絵の具』(上)読了。非常に面白く、愛おしく、哀しみのある本でした。若いアーティストに読んでもらいたいです。」
「自伝の様な小説、小説の様な自伝。書籍というフレームを持つことにより、それはどちらでもよいことに気づかされる。画家の生の生き様や思考、ブリコラージュ、そして濃厚に香るリビドー。」
「タイトルも好きなのだけど、青春が溢れてて疾走感ありすぎてあっという間に読破!」
「1999年のS.M.A.K.の開館時に、館長のヤン・フート(62歳)がデニス・ベローネとボクシングの試合をしたというエピソード、何度読んでも勇気づけられる。」
「どうやったらこんな文章が書けるのだろうと、私にはあまりに『遠く』、しかしその面白さ。」
「小説なのか日記なのか手紙なのか独白なのかドキュメンタリーなのかそれともファンタジーなのか何なのか、おそらくそのすべてであることに猛烈に共鳴してしまう。絵の中に潜んでいた言葉がこれだけ多彩に湧き出してくるなんて!」
「僕がここ数日、時々、いつどこにいるかわからなくなるのは、忙しいからではなくて、時折、小林正人さんのこの本を手にとってしまっているからだと思う。餃子を食べていても、心は、光を求めてしまう。」
編集者からの手紙
あとからつながるものについて。
『この星の絵の具』という小説の構想について、小林正人さんから初めて聞いたのは、2016年のことだった。フリーになって2年ほどが経った頃、ヴァンジ彫刻庭園美術館のグループ展で再会した小林さんに、「話したいことがあるんだ。少し時間ある?」と美術館のカフェに誘われた。
そのとき聞いたのが、のちに上巻に描かれる「せんせい」との出会いだった。まさかこの小説が、その後10年という時間をかけて3部作として育っていくことになるとは、そのときはまだ思っていなかった。
断続的ではあれ、10年にわたり一人の作家と編集作業を続けられたことは、編集者冥利に尽きる経験だと思う——。
3部作の物語を、
あなたの周りの誰かにも。
ハッシュタグ:#この星の絵の具 #小林正人
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