『旧朝香宮邸物語―東京都庭園美術館はどこから来たのか』

『旧朝香宮邸物語―東京都庭園美術館はどこから来たのか』
『旧朝香宮邸物語―東京都庭園美術館はどこから来たのか』

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「よくこんなにきれいに残っていますね」——東京都庭園美術館を訪れた人なら、誰しも一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。
1933年の竣工から90年以上が経ちながら、ルネ・ラリックのガラスレリーフ扉、アンリ・ラパンが手がけた壁画、宮内省内匠寮の職人技が光る装飾——それらは傷むことなく、まるで今もここに人が暮らしているかのような現役の姿で残されています。
なぜ、この建物はこれほどまでに美しく保たれているのか。
そこには、三つの「熱情」がありました。
1920年代のパリで「アール・デコ博覧会」に魅了され、東京にアール・デコの館を建てることを思い立った朝香宮夫妻の情熱。戦後、皇籍離脱により建物が手を離れるなか、吉田茂の外務大臣公邸・首相公邸として、次いで白金迎賓館として守り継いだ人々の知恵。そして東京都庭園美術館として生まれ変わって以来、40年をかけて修復・研究を積み重ねてきた職員たちの地道な熱意。
これらの熱情がなければ、この建物は今日まで存続しつづけていなかったでしょう。
本書は、建物の「誕生」から現在に至るまでを、五つの章と豊富な写真で辿る、この美術館をめぐる唯一の公式記録書です。2015年に国の重要文化財に指定された建築の全貌を、朝香宮ご夫妻の子女へのインタヴューや、当時を知る職人・館長の証言とともにお届けします。
東京都庭園美術館を訪れたことがある方に。これから訪れる方に。アール・デコ建築の美しさの理由を、腑に落ちる形で知りたい方に。

書名:『旧朝香宮邸物語―東京都庭園美術館はどこから来たのか』
編集:東京都庭園美術館
仕様:ハードカバー(上製本)
サイズ:四六判
ページ:212ページ(カラー口絵16ページ、モノクロ196ページ)
デザイン:木村稔将
ISBN:978-4-908122-09-5
2018年4月15日刊行

[目 次]

はじめに

一章 朝香宮家の人と暮らし 一九〇六―一九四七

-朝香宮家のはじまり
-フランスへのグランドツアー
-パリでの生活 受領証綴
-妃殿下のファッション
-帰国〜アール・デコの館の建設
-館での華やかな暮らし
-朝香宮邸としての終焉
[インタヴュー]大給湛子(朝香宮鳩彦殿下第二女子)に聞く「朝香宮邸の日々」
[コラム]元侍女の回想―「御候所」

二章 アール・デコが東京にやってきた 一九二五―一九三三

-アール・デコ博覧会
-アンリ・ラパンとの出会い
-謎多き彫刻家ブランショ
-内匠寮の職人技と、ラリックのガラスレリーフ扉
-ラジエーター・カバーの優れたデザイン
-マックス・アングランのエッチング・ガラス
-海外の動向との接点
[コラム]重要文化財 茶室「光華」
[インタヴュー]多田正信(元宮内省内匠寮匠生)に聞く「朝香宮邸の設計」

三章 朝香宮邸を守り抜いた人々 一九四七―一九八一

-戦後の旧朝香宮邸―皇籍離脱・朝香宮から朝香家へ
-吉田茂・目黒首相公邸
-吉田茂とアール・デコの館
-白金迎賓館
-白金迎賓館中田虎一館長
-白金プリンス迎賓館―現役として使用されていた旧朝香宮邸の家具
[コラム]マーブルプール 四章 東京都庭園美術館の誕生

四章 東京都庭園美術館の誕生 一九八三―

-美術館として再出発―保存と活用の間での試行錯誤
-展覧会事業と建物公開事業
-保存と活用の両輪で
-調査研究と新発見
-外壁工事
-タイルの修復
-ウインターガーデンの公開
-バラバラだった「香水塔」
-美術館名の由来―三つの庭園
-ひっそりと佇む三つの防空壕
[コラム]小客室アンリ・ラパン作壁画の修復について

五章 「アール・デコ」リヴァイヴァル 一九八七―

-伝説の装飾
-リヴァイヴァル前夜
-ポストモダン
-ブールデル/デュフェ展
-リヴァイヴァル以後
[論考]日本近代の建築と装飾、あるいは「アール・デコ的」展開を巡って

[付録] -白金今昔―白金の土地を巡る物語
-白金御料地での林間学校

注釈
初出・執筆者一覧
執筆者略歴
あとがき

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