1968年、鳥取に生まれた前衛芸術家集団スペース・プラン。その構成メンバーとなる谷口俊(1929~)、フナイタケヒコ(1942~)、山田健朗(1941~)らによる活動は、単純な色と形に還元された立体物に代表されるミニマリズムとして特徴づけられる。作品発表は市民会館や画廊だけでなく、鳥取市の各地での野外展を積極的に試みた。とりわけ第2回展における鳥取砂丘での作品展示は、壮大なスケールであったが、地元のメディア等では注目を集めたものの、全国的に広く紹介されることはなかった。 本書は、そんなスペース・プランの記録写真や印刷物を可能な限り収録。ミニマリズムという現代美術の出発点ともいえる形式が、鳥取というローカルな地域でどのように展開されたのか。60~70年代の鳥取の文化状況を踏まえながら、歴史的文脈のなかで、その活動を検証していく。