ロスコを聴く。松本陽子を聴く。アルバースを聴く。
20世紀美術の巨匠たちを、音楽で読み解く392頁。
ロスコにワーグナーを、松本陽子にショパンを、アルバースにスクリャービンを——。本書は、一人の美術家に一人の音楽家を重ね合わせ、絵画を「聴く」ように読み解いていく、これまでにない美術批評の試みである。
畢竟(ひっきょう)、私どもは「見ること」に憑かれた者どもであろうか……
「見ること」=美術、に憑かれた生涯一学芸員が、
「聴くこと」=音楽、に合わせて書き下ろした畢生(ひっせい)の一書。
40年以上の長きにわたり、国内外のアートシーンで活躍、「ザ・キュレーター」とも称された著者が辿り着いた芸術の深奥。そこには、芸術家たちの自然への渇望、そして肉体への回帰があった。近代において我々が失ってしまった「五感の悦び」に再び出会うため、美術と音楽とをつなぐ「共感覚」を軸にしながら、モダンアート(1章)とコンテンポラリーアート(2章)を旅するように巡る軽快かつ洒脱な論考集。著者とともに、「芸術とは何か」を体感する珠玉の一冊です。
CONTENTS MAP
美術家と音楽家の「共感覚」対応表(抜粋)
第1章|モダン編
| ゲルストル | シェーンベルク |
| オスカー・ココシュカ | リヒャルト・シュトラウス |
| アルバース | スクリャービン |
| マレーヴィッチ | プロコフィエフ |
| ロスコ | ワーグナー(ブリュンヒルデ) |
第2章|同時代作家論
| 関根直子 | ワーグナー/メシアン |
| 松本陽子 | ショパン |
| 長谷川さち | ヴェーベルン |
| 古石紫織 | ドビュッシー |
| 内田あぐり | ベルク |
| さかぎしよしおう | いきものがかり |
※第2章ではほかに、横尾龍彦、西井葉子、椎名絢、新見藍、樋口健彦、中村錦平・洋子、真島直子、内田亜里、留守玲、徳丸鏡子、吉雄介、藤本由紀夫を収録(全19作家)。
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美術勉強中 (承認)
豊かな知識と自由な思考で音楽、美術、文学などを横断的に結びつける、大変おもしろい内容でした。
難しく感じるところもあった分「もう一度読んで理解を深めたい」と思ってしまう本です。
最後、芸術の持つ力について言及されているところで胸が震えました。
これっと
造本、テキストともに格調高く美しい本です。
でも、文章はわかりやすく、むずかしくはありません。
筆者が芸術を信じるその姿勢、選ばれた作家たちがなにをもって選ばれているのかといった審美眼がこの本を貫いています。
ひとりの学芸員の生き様とでもいえる渾身の一冊ではないでしょうか。
この本をテキストに、ここに選ばれた作家たちの作品を見たくなりました。