新見隆『共感覚への旅 ―モダニズム・同時代論』

新見隆『共感覚への旅 ―モダニズム・同時代論』
新見隆『共感覚への旅 ―モダニズム・同時代論』

40年以上の長きにわたり、国内外のアートシーンで活躍、 「ザ・キュレーター」とも称された著者が辿り着いた芸術の深奥。
美術と音楽とをつなぐ「共感覚」を軸にしながら、 モダンアート(1章)とコンテンポラリーアート(2章)を 旅するように巡る軽快かつ洒脱な論考集。


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畢竟(ひっきょう)、私どもは「見ること」に憑かれた者どもであろうか……
「見ること」=美術、に憑かれた生涯一学芸員が、
「聴くこと」=音楽、に合わせて書き下ろした畢生(ひっせい)の一書。

40年以上の長きにわたり、国内外のアートシーンで活躍、 「ザ・キュレーター」とも称された著者が辿り着いた芸術の深奥。
そこには、芸術家たちの自然への渇望、そして肉体への回帰があった。
近代において我々が失ってしまった「五感の悦び」に再び出会うため、 美術と音楽とをつなぐ「共感覚」を軸にしながら、 モダンアート(1章)とコンテンポラリーアート(2章)を 旅するように巡る軽快かつ洒脱な論考集。
著者とともに、「芸術とは何か」を体感する珠玉の一冊です。

◉同時代作家論の掲載アーティスト
横尾龍彦/西井葉子/椎名絢/関根直子/新見藍/松本陽子/樋口健彦/ 中村錦平/中村洋子/真島直子/長谷川さち/古石紫織/内田亜里/ 留守玲/徳丸鏡子/吉雄介/内田あぐり/藤本由紀夫/さかぎしよしおう

 

 

書名: 共感覚への旅―モダニズム・同時代論
著者:新見隆
ページ:392ページ
製本:上製本
サイズ:四六判
デザイン:梯耕治
ISBN:978-4-908122-27-9
2024年4月下旬刊行

「表現の影」を求めて―音の香りをきく美術家たち

序章:「自然観としての共感覚」
序にかえて―失われた「五感」への旅、あるいはクリュニー修道院のボードレール

1章:「故郷喪失の旅、モダン編」─美術と音楽の同時代性
01 光の奇蹟―田中希代子のサン=サーンス、あるいは岡崎京子の孤独
02 宇宙の咆哮に向かって―私における、アントン・ブルックナー
03 理性でも、情念でもないもの―凡庸な革命家シェーンベルクと、彼の妻を寝取った天才ゲルストルの場合
04 「変容」と「窓の絵」―そこに世界のディテールはあったか、リヒャルト・シュトラウス先生よとオスカー教授宣う
05 狂気の中の慰藉―ヴィヴァルディ、そしてピラネージ
06 世の果てにあるエロス―ルオーとメシアンの場合
07黄金のシューベルト、あるいは宇宙への階梯―田部京子に。
08 神秘主義は正方形がお好き―アルバースとスクリャービンの場合
09 白旗でない、白い世界への退却―プロコフィエフから、マレーヴィッチの至高主義(シュプレマティズム)をみると
10 火の叫びのロスコ―それをしも、唯一無二の女神ブリュンヒルデに捧げるか

2章:「共感覚への旅」─同時代作家論
01 天の龍、天の舞踊―横尾龍彦の霊画、あるいはドイツ表現主義の彼方
02 世紀末の女神ペヤチェヴィッチ―西井葉子の黒いロマンティシズムに
03 ラヴェルに誘われ、夜の海へ―椎名絢の球体絵
04 愛の抽象性について―関根直子の鉛筆画、あるいは「トリスタンとイゾルデ」
05 愛の自己許容を超えられるか?、新たなる表現主義―新見藍の陶彫が、エゴン・シーレに出会う時
06 「宇宙エーテル体」―松本陽子の黙示録的空間
07 天から降るものの表情について―樋口健彦の彫刻に
08 多面性としてのショスタコーヴィッチ―中村錦平・中村洋子夫妻に
09 楽園への逃走―真島直子の仕事
10 沈黙の絵画、あるいは目の舞踊の石―関根直子と「トゥーランガリラ」、長谷川さちとヴェーベルンの香り
11 覚醒、または肉体の放棄―古石紫織のドビュッシー青、そして「左手」
12 風景の故郷喪失(ディアスポラ)―内田亜里、あるいは写真の始原への問い
13 小動物になった惑星―留守玲とバルトーク
14 卵形の供物―徳丸鏡子を、ストラヴィンスキーからみると
15 哲学するトタン―吉雄介のバッハ風彫刻
16 自然の怒りについて―内田あぐり、あるいはベルクの表現主義
17 デュシャンの星のもとに―音の作家、藤本由紀夫
18 Yell ―さかぎしよしおう、あるいは、いきものがかり

現代作家略歴
これが最後なのか? いやなーに、まだただの始まりなんだろうサ。

新見 隆(にいみ・りゅう)
キュレーター、美術史・デザイン史・博物館論。 1958年広島県尾道生まれ。慶應義塾大学文学部フランス文学科卒。武蔵野美術大学造形学部教養文化・学芸員課程教授。同美術館・図書館長。
(株)Nikissimo文化顧問。イサム・ノグチ庭園美術館学芸顧問。慶應義塾大学アート・センター訪問所員。元大分県立美術館館長。
著書に、『モダニズムの庭園・建築をめぐる断章』(淡交社、2000)、『イサム・ノグチ 庭の芸術への旅』(武蔵野美術大学出版局、2018)、『時を超える美術―「グローカル・アート」の旅』(光文社新書、2022)、『青春20世紀美術講座―激動の世界史が生んだ冒険をめぐる15のレッスン』(東京美術、2022)。
食のスケッチ、コラージュ・箱・人形の作家。

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